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じんましんは皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。人がイラクサ(蕁麻(じんま))の葉に触れると同様の皮膚症状が起こることからこの名前がつきました。
この皮疹が出現と消退を繰り返す疾患で、大抵は痒みを伴い、症状が激しい場合には次々と新しい皮疹が出没します。全身にじんましんが急激に現れる場合は、アナフィラキシーショックと呼ばれる重篤なアレルギー反応の可能性もあります。
最初の症状が出始めてから1ヶ月以内のものを急性蕁麻疹、それ以上続くものを慢性蕁麻疹といいます。
じんましんは以下のように様々な原因でおこります。
抗生物質、解熱鎮痛薬、咳止めなど
イラクサ、ゴム、蜂など(触れたり刺されたりして起きる)
寄生虫、真菌(カビ類)、細菌、ウイルス
機械的擦過・圧迫、寒冷、日光、温熱、振動など
特定の食物を摂取した後2~3時間以内に運動すると生じるアナフィラキシー反応で、原因物質には、小麦、エビ、果物などがあります。痛み止めなどの薬剤においても誘発されやすいです。
アレルギー性機序を介さない蕁麻疹ですが、豚肉、さば、たけのこ、もちなどの摂取で生じることが多く、痛み止めなどの薬剤、人工食品着色料、造影剤、食品中の防腐剤などにも過敏性を呈することがあります。
口唇や眼瞼などが突然腫れあがり、2~3日症状が持続したあとに消える蕁麻疹の特殊型です。血管性浮腫には、通常の蕁麻疹と同じ機序で起こるものと、C1インヒビターと呼ばれる血液中の蛋白質がうまく働かないために起こるものがあります。
皮膚への機械的擦過や圧迫、寒冷刺激や温熱刺激の暴露、日光曝露、水との接触などの物理的刺激により起こる。
入浴や運動などで発汗したり、あるいは精神的緊張により発汗する時に現れる蕁麻疹です。小児から20歳代をピークに発症し、年を経るほど症状は軽くなることが多いです。痒みがないか、あっても少しであれば放置しても構いません。通常のじんましん治療に反応しにくいことが多く、治療に工夫が必要です。
皮膚や粘膜が特定の物質と触れることで、触れた部位に生じる蕁麻疹です。通常は原因物質接触後数分~数十分以内に膨疹が出現して数時間以内に消失します。さらに、掻き毟りなどにより遅延型湿疹反応を伴うことがあります。
皮膚局所に肥満細胞が過剰に存在し、かつ色素斑を伴う疾患です。病変の程度は全身に数個から無数に存在するものまで個人差がかなりあります。発症は幼児期に多いですが、成人での発症もあります。皮膚生検などの検査が必要になります。
蕁麻疹のように見えますが通常の蕁麻疹と異なり、それぞれの皮疹が24時間以上持続し、皮疹消失後も色素沈着や落屑などの変化が残るものをいいます。微熱や関節痛を伴うことも多くみられ、膠原病などの症状として出現するため検査の必要があります。
蕁麻疹の治療の第1は、できるだけ原因・悪化因子を探し、それらを取り除くまたは避けるようにすることです。
第2は薬物療法による治療です。
最近は副作用が少なく効果の良い薬剤が多くありますが、すべての蕁麻疹に有効なわけではありません。あま市のごとう皮フ科クリニックでは必要な検査をしっかり行い、それに基づいた治療と生活改善をバランスよく行うことが大切だと考えています。